- 第2会場
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恐竜研究最前線!
その最前線、福井県勝山で発見された6種類の新種の恐竜(フクイラプトル·キタダニエンシス、フクイサウルス·テトリエンシス、フクイティタン·ニッポネンシス、コシサウルス·カツヤマ、フクイベナートル・パラドクサス、ティラノミムス·フクイエンシス)のうち、3種(フクイラプトル、フクイサウルス、フクイベナートル)の全身骨格が勢揃い。
福井県で発掘され、2023年に新種として報告された小型の獣脚類ティラノミムス・フクイエンシスの東京初展示も決定。
さらにフクイベナートルとマイアサウラの生体復元ロボットで恐竜たちの動きを再現。
フクイラプトル・キタダニエンシス
(前期白亜紀)/全身骨格
分類:竜盤目/獣脚亜目/ネオベナートル科
産地:福井県 勝山市 北谷
日本で初めて新種として報告された獣脚類で、2000 年に命名されました。アロサウルスの仲間ですが、その中でも比較的長い前肢と大きな手の末節骨(かぎ爪)が特徴的な、メガラプトル類というグループに属しています。全長は約4.7m と、このグループの中では最小級ですが、この骨格はまだ成長途中の段階とみられ、もっと大きくなった可能性があります。四肢の骨が特によく保存されており、中でも手の末節骨は特徴的な形態がよく観察できます。この末節骨は大きいだけでなく、非常に薄くなっており、アロサウルスの分厚い末節骨とは明らかに異なっています。
フクイサウルス・テトリエンシス
(前期白亜紀)/全身骨格
分類:鳥盤目/鳥脚亜目/イグアノドン類
産地:福井県 勝山市 北谷
フクイサウルスは、かつて“フクイリュウ”の愛称で知られたイグアノドン類の属する草食恐竜です。前期白亜紀のイグアノドン類としては原始的でユニークな特徴を頭骨に有しています。イグアノドン類は、上顎が側方に可動することで上下の歯が噛み合い、口の中で植物を小さくする(咀嚼する)ことができました。しかし、フクイサウルスは、この特徴が欠如しており、どのように咀嚼したのか、現在研究中です。また、イグアノドン類の口先は、進化した種類ほど、幅広くなる傾向が確認されています。これは、一度に多くの植物をついばむためだと考えられます。しかしながら、フクイサウルスの下顎の先は、原始的な鳥脚類に見られるような尖った形態をしていました。
フクイベナートル・パラドクサス
(前期白亜紀)/全身骨格
分類:竜盤目/獣脚亜目/マニラプトル形類
産地:福井県 勝山市 北谷
2007年の発掘調査で発見され、2016年に命名された小型の獣脚類です。1体分の骨がまとまって見つかり、全身のおよそ70%もの骨が確認された、日本では珍しい例です。歯には獣脚類の一般的な特徴である,鋸歯と呼ばれるノコギリ状のギザギザがありません。このことから、この恐竜は純粋な肉食性ではなく、少なくとも雑食性で、もしかしたら草食性であった可能性もあると考えられています。当初はドロマエオサウルス類と考えられていましたが、近年、CT スキャン等を用いて、フクイベナートルの詳しい研究が行われ、主に草食性として知られるテリジノサウルス類の原始的な種であることがわかりました。
福井県で発見された6例目の新種恐竜
ティラノミムス・フクイエンシス
2023年9月発表され、大きな話題を呼んでいる福井県勝山市で発掘されたオルニトミモサウルス類の仲間の新属新種「ティラノミムス·フクイエンシス」の展示が急遽決定!
ティラノミムス・フクイエンシス
(前期白亜紀)
分類:竜盤目/獣脚亜目/デイノケイルス科
産地:福井県 勝山市 北谷
2023年に新種として報告された小型の獣脚類で、ダチョウによく似た体型をしていたことで知られるオルニトミモサウルス類というグループに属します。国内でのオルニトミモサウルス類の発見例は少なく、頭骨など多くの部位は国内で初めて発見·報告されたものであり、新種としての報告も日本初です。学名の由来にもなっている腸骨(骨盤の一部)の垂直稜は、これまでティラノサウルスのなかまの特徴と考えられてきましたが、ティラノミムスの発見で一部のオルニトミモサウルス類にも見られる特徴であることがわかりました。また、上腕骨には他のオルニトミモサウルス類には見られない小孔(小さな穴)が見られ、これらの特徴から新種として認められました。